円盤感想記述

我愛的音楽

Godspeed You! Black Emperor - G_d's Pee AT STATE'S END!

Rage Against The Machineにせよ、Bob Dylanせよ、忌野清志郎にせよ、高田渡にせよ、自らが政治を批判する表現として音楽を用いるアーティストの楽曲って、音楽が好きな人間としては、ダイレクトに心を揺さぶる熱量を感じてしまう。そのアーティストが批判する細かな内容は明確にはわからないけど、訴えかけるものを肌で感じるような感覚である。


言語と非言語がコミュニケーションに与える影響を示した「メラビアンの法則」によると、非言語情報である聴覚情報で4割、視覚情報で5割、そして、言語情報で1割と、言葉による情報伝達の悪さを考えると、ある思いを人に伝えるには、言葉にするのではなく、聴覚や視覚に訴えかけるように、音源やライブを通して伝えることが、効果的な伝達方法となるのだろう。

Godspeed You! Black Emperorは、言語としてのメッセージを楽曲に入れていないが、残りの9割の非言語情報によって、私たちに、確実にその表現したい思いを届けている。世界の権力者は利己的であり、混沌と底なし沼のような世界を生きる人間が、そんな腐った世界に、一人でも多く幸せになるために、その世界を浄化しようとしていると感じる。ドローンな音によるカオスとかした世界を、幾重にも織りなすノイジーなギターの重なりでそこから這い出し、清く壮大なオーケストラによって、浄化された世界への一筋の光を見せてくれる。

どんなくそのような世界でも、必ず救われる日が来る。
ただ、その日を迎えたいなら、くそのような世界に住む人間一人一人が、今ある困難、理不尽に、各々の表現方法で立ち向かう必要があるのである。

カナダのモントリオールから世界に向けて発信し続けてくれている彼らをこれからも貴重な存在と思い、そして、ファンでいたいと思う。

 

Godspeed You! Black Emperor - G_d's Pee AT STATE'S END!
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